男性のオーガズムというと、とても単純な気がするかもしれません。男はただ射精すれば気持ちよくなれる……というイメージがあるのではないでしょうか。しかし、実際のところはオトコのオーガズムも複雑で、私たちにはなかなか分からない難しさや悩みがあるものです。エッチのときに彼をもっと感じさせたい、その気にさせたいと感じている女性は少なくないはず。そのためには、男性のオーガズムについて詳しく知っておく必要があります。上手くいけば彼を喜ばせてあげることができますよ。

意外なことに、男性のオーガズムは射精だけではありません。女の子のように感じる特殊なオーガズムもあり、場合によっては連続イキができることもあります。性感帯を効果的に刺激できれば、彼本人も知らなかったような快感を与えられるかもしれません。ただし、男性の体調や精神状態によってはオーガズム障害を抱えていることもあり、上手くオーガズムに達することができない場合もあります。そのときはプレッシャーをかけずに、サポートしてあげることが大切です。本記事では男性のオーガズム(Male Orgasm)の全容について、気になるところを徹底解説します。

男性の性感帯とオルガズムの感じ方を知るメリット

男性の性感帯やオーガズムというと、ペニスや射精だけのような気がするかもしれません。しかし、男性の性感帯は意外と豊富で、ペニスひとつを取ってみても、場所によって特に感じやすい部分があります。さらに、首筋や乳首など女性の性感帯として有名な場所は、実は男性でも快感を得ることができるのです。こういったことを理解することで、次の2つのメリットを得ることができます。

  • 性感帯の正しい攻め方が分かる
  • 彼を喜ばせることができる

女性が男性の性感帯について知ることで、どのように攻めれば良いか分かります。セックスで快感を高めるためには、性感帯への刺激が欠かせません。しかし、上手く刺激できなければ快感もイマイチに。もちろん、ペニスをどのように刺激するのかという点は重要ですが、性感帯はペニスだけではありません。いろいろなところを攻めれば彼の快感がより高まり、セックスをもっと盛り上げることができるでしょう。

正しい攻め方がわかる

男性と女性は身体の構造や仕組みが大きく異なるので、お互いの身体について分からないことはたくさんあります。だからこそ、セックスで気持ちよくなるためには、相手に身体について知識を深めることが重要なのです。特に、男性と女性では主要な性感帯の場所はもちろん、感じ方も違います。快感や興奮の高まり方や、オーガズムへの向かい方も異なるので、そういった点について理解しておくことが、男性を気持ちよくするための一番のコツです。

男性をオーガズムへ導くテクニックについては後述しますが、男性のオーガズムの感じ方を知ると、どのように性感帯を攻めれば良いのか分かります。例えば、ペニスで最も感じやすい部分である「カリ」や「裏スジ」を、集中的に攻めるなどのテクニックです。また、男性はどちらかというと雰囲気やシチュエーションではなく、物理的な刺激や視覚によって興奮しやすいこともポイント。あえて彼をエッチな表情で見つめながら愛撫したり、いやらしい音を立てたりするとさらに効果が高まるでしょう。

一方で、女性にはよく似ている点もあります。それはペニスとクリトリスです。どちらも最も感じやすい性感帯で、「海綿体」という組織で構成されています。海綿体はスポンジのような特性があり、血液が流れ込むと体積が膨張して大きくなることが特徴です。性的興奮が高まると勃起して、亀頭部分の包皮が剥けてくるという点でも、非常によく似ていますよね。ペニスとクリトリスではサイズが違うため、刺激の仕方は全く異なりますが、どこか親近感が湧いてくるのではないでしょうか。

生殖器以外の性感帯も、実はほとんど同じような場所にあります。例えば、女性がゾクゾクしやすい首筋や太ももの付け根などは男性でも感じますし、乳首やアナルもしっかり開発すれば相当感じるようになるものです。特に、アナルは後ほどご紹介する「ドライオーガズム」や、「マルチプルオーガズム」のために重要な部分になってきます。こういった性感帯の正しい攻め方を知れば、パートナーの快感をいつも以上に高めることができるでしょう。その結果、セックスが大幅に盛り上がるのです。

パートナーが喜ぶ

女性が男性のオーガズムや性感帯について知っておくと、パートナーを喜ばせることができます。前述したように、性感帯の正しい攻め方を理解しておくと、彼の快感を今まで以上に高めることができるはずです。男性は気持ちのいいことが大好きで、とにかく女性が快感を与えてくれると喜びます。もちろん女性も気持ちのいいセックスは大好きですが、男性はそれ以上に快感を求める欲望が強いのです。パートナーの性感帯を上手く攻めることができれば、彼が喜んでくれるだけではなくセックスの満足度が高まります。

深く愛し合っているカップルでも、付き合いが長くなると少しずつセックスがマンネリ化していきます。なぜなら、新たな刺激がなくなって、同じような内容のセックスが多くなるからです。セックスが退屈になって頻度が下がり、やがてはセックスレスになってしまうことも……。セックスのマンネリやセックスレスは、カップルの関係自体にも悪影響を及ぼすので、できることなら避けたいですよね。マンネリの防止や改善に最も効果的な方法は、セックスに新たな刺激を取り入れることです。まさに、彼のオーガズムについて知って気持ちよくなるように攻めてあげることが、それを可能にしてくれます。

さらに、エッチなテクニックで彼の満足度を高めてあげると、彼の方でも興奮が高まって意欲が増し、セックス全体が熱く盛り上がるようになります。女の子がこんなに頑張って気持ちよくしてくれるなら、自分も彼女をもっと気持ちよくしてあげようと思うはずです。つまり、お互いに高め合えるようになるということ。また、こうして男性の満足度を高めることができれば、いわゆる「床上手」な女性という印象を植え付けて、彼が離れられないようにすることもできますよ。セックステクニックを磨いて彼を喜ばせてあげることは、まさに一石二鳥、いやそれ以上の大きな効果があると言えるでしょう。

男性のオルガズムの種類

男性の性感帯について知って上手に攻められるようになると、彼の満足度を高めて喜ばせてあげることができます。そのためには、まず男性のオーガズムというものについて知る必要がありますが、実はオトコの絶頂はひとつだけではありません。女性に「外イキ」や「中イキ」といった複数のオーガズムがあるように、男性にも「射精以外」の絶頂があるのです。それぞれ全く違った特徴があるので、上手く活用すれば彼に最高の快感を与えられますよ。男性のオーガズムには次の3つの種類のものがあります。

  • ウエットオーガズム
  • ドライオーガズム
  • マルチプルオーガズム

ウエットオーガズムとは濡れた絶頂、つまり一般的な射精のことです。基本的には同じ海綿体組織であるクリトリスでの絶頂に近いものですが、男性の場合は強い「賢者タイム」が訪れることが大きな特徴。ドライオーガズムは特殊なオーガズムで、射精することなく乾いた状態で絶頂に達します。どちらかといえば女性の中イキに近いオーガズムだと言えるでしょう。マルチプルオーガズムはいわゆる連続イキで、かなり難易度が高いですが不可能ではありません。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

ウェットオルガズム

「ウエットオーガズム」とは、通常の射精のことです。射精をするとペニスや身体が濡れるため、後述する「ドライオーガズム」と対照的な濡れたオーガズムと呼ばれています。ペニスは海綿体という組織で構成されていて、性的に興奮すると勃起することが大きな特徴です。ペニスに物理的な刺激が加わることによって、脳が神経から伝わった情報を性的刺激と判断します。視覚や聴覚などといった情報でも同様で、性的刺激だと感じ取れば勃起中枢が作用して勃起するのです。

さらにペニスへの性的刺激が継続すると、興奮が高まってオーガズムが近づいてきて、身体は射精に向けての準備を進めます。いわゆる「ガマン汁」と呼ばれる尿道球腺液(カウパー氏腺液)が出て、通常は酸性よりの尿道内を中性に整えて、精巣(睾丸)がせり上がってくることもポイントです。それから精子が分泌液と共に、精子の通り道である精管の末端部(精管膨大部)へ運ばれて、射精の瞬間まで待機します。ついにオーガズムに達すると、「射精中枢」の反射によって精液が射出されるのです。精子と前立腺液が混じり、肛門括約筋などの働きで射精が行われます。

男性が射精を終えた後は、主に「プロラクチン」というホルモンが分泌されて、性的興奮が急激に減退していきます。これは、性行為で高ぶった心身を落ち着かせて、平常心に戻すためです。こういった生理反応によって、男性が射精した後は「不応期(賢者タイム)」が訪れます。このタイミングでは、ペニスを刺激しても性的反応とは判断されず、性的快感を得ることはできません。つまり、不応期では一時的に不感症になると言えるでしょう。

男性の不応期はかなり長く、1時間~24時間に及ぶことがあると言われています。男性がセックスの後に急に冷たくなったり、そっけなくなったりすることがありますが、それもすべてプロラクチンによる不応期の影響です。不応期にペニスに触れられると、快感よりも不快感が出ることが多いため、男性が射精した後はあまりペニスに触れない方が良いでしょう。後ほど改めて解説しますが、基本的にはペニスで連続オーガズムに達することは困難。そのため、一度の射精で最高の快感を得られるように、性感帯を刺激してあげることがコツです。

ウェットオルガズムに導く方法

男性をウエットオーガズム導くためには、もちろんペニスへの刺激が必要になります。しかし、ただ単に陰茎を上下にシゴいたりフェラチオしたりするだけでは、最高のオーガズムを与えることはできません。そのため、ペニスの中でも特に敏感な性感帯を、しっかり愛撫してあげることが重要になります。その性感帯とは、「カリ」と「裏スジ」のことです。カリは亀頭と竿部分との段差で、裏スジは亀頭裏側の尿道下部にある結び目のようなところにあります。

これらの性感帯は非常に敏感なので、刺激すると彼の快感をどんどん高めることができますよ。しかもコツを掴めばかなり簡単に攻めることができるので、初心者の方にもおすすめです。カリは手コキをするときに、亀頭や竿だけを握って刺激するのではなく、ストロークを大きくして上下に動かすと自然に刺激できます。快感が高まると、亀頭がどんどん膨張して、カリもパンパンに張ってくるはずです。そのままどんどんカリを刺激して、オーガズムへ導きましょう。

裏スジを攻めるのはさらに効果的で、彼を最速でイカせることができる性感帯です。裏スジはフェラチオで集中的に刺激できます。フェラをするときは、舌が自然と裏スジのあたりに当たるはずです。チロチロと軽く舐めてみるところから始めて、徐々にベロベロと激しくしていきましょう。唇をカリの部分に絡ませるようにして上下に動かしながら、同時に裏スジも舐めると二点責めもできます。このテクニックをマスターすれば、彼がいつもフェラを求めてくるような床上手になれることでしょう。

また、こういったペニスへの愛撫だけではなく、他の性感帯も同時に攻めればなおベターです。冒頭でもご紹介したように、男性の性感帯は女性とよく似たところにあります。例えば、乳首は開発次第で男性でも相当感じられるようになるので、ペニスへの刺激と同時に乳首もいじってみるのがおすすめです。ローターのような女性向けのセックストイを、亀頭や乳首などに当ててみるのもおすすめ。これらのテクニックを活用すれば、男性の快感を一気に高めて、オーガズムへ導くことができるようになるでしょう。

ドライオルガズム

ドライオーガズムとは射精せずに迎える絶頂のことで、先ほどのウエットオーガズムとは対照的なものです。精液が出ずに身体が濡れないため、このように呼ばれるようになりました。そもそも、乾いたオーガズムとはどういうことなのでしょうか。実は、ドライオーガズムは何らかの原因によって、ペニスへの通常の刺激でも起こる場合があります。しかし、これは単に精液が出ないだけで射精自体は行われているので、厳密にはドライオーガズムとは呼びません。

ドライオーガズムは、ペニスとは全く無関係のところにあります。それは「アナル」特に「前立腺」です。前立腺は非常に不思議な器官で、本来は精子を活性化させる前立腺液を分泌するという、重要な役割を担っています。しかし、この前立腺は性的刺激に対して敏感で、ここを刺激することでオーガズムに達することがあるのです。具体的には、肛門に指やセックストイなどを挿入して、腸壁を介して前立腺をマッサージすることで、絶頂へ導くことができます。

ドライオーガズムはいわゆる女性の「中イキ」に近い性質を持っています。まず、快感が射精のような鋭く短時間で終わるものとは違い、身体の奥深くから湧き起こるような快感がしばらく続くのです。しかも、ペニスが関与しないオーガズムなので、射精後のような不応期はありません。そのため、ドライオーガズムは後述する「マルチプルオーガズム(連続イキ)」を、男性でも可能にしてくれることで有名です。男性にとっては、ドライオーガズムは女性の快楽を味わえるような、夢のオーガズムでもあるのです。

ドライオルガズムに導く方法

男性をドライオーガズムへ導くためには、アナルへの刺激が欠かせません。つまり、アナルに指やセックストイなどを挿入して、間接的に前立腺を刺激する「アナルプレイ」を行うのです。肛門というと嫌な感じがするかもしれませんが、アナルプレイを行う際は浣腸などで肛門と直腸を洗浄するため、プレイ中に汚いものが出てくるようなことはまずありません。また、アナルや前立腺は生殖器ではないため、初プレイでいきなりオーガズムに達するのはまず不可能です。そのため、ドライオーガズムには開発が必要になります。

アナルを開発する際は、まず指でアナルまわりを柔らかくほぐしていきます。肛門周辺には非常に強力な筋肉があるので、そのまま指やセックストイを挿入することはできません。アナルの緊張が少しほぐれてきたら、指にローションをつけてゆっくり挿入します。まずは、アナル用指サックやコンドームを小指に装着して、慎重に挿入してから前後に動かして慣らしましょう。それから人差し指もしくは中指が入るようになったら、事前準備は完了です。

それからアナル用バイブレーターやディルド、もしくはエネマグラにローションを塗って挿入します。特に、「エネマグラ」は前立腺オナニーのために開発された専用のグッズなので、初心者のカップルには特におすすめです。これをある程度挿入すれば、後は男性が肛門括約筋を締めたり緩めたりするだけで、エネマグラが自動的に前立腺を刺激してくれます。しばらく続ければ、ドライオーガズムに達することができるでしょう。男性の身体がブルブル震えたり、いつもと全く違う喘ぎ声を出したりしたら、それがドライオーガズムのサインになります。

ただし、こういったアナルプレイを行う際は、くれぐれも安全面や衛生面には厳重に注意してください。アナルはそもそも何かを挿入するような場所ではないので、指やセックストイを無理に挿入したり、激しく動かしたりすると腸壁を痛めてしまいます。また、たとえ優しく刺激したとしても、どうしても微細な傷はできるものです。そこから細菌やウイルスが侵入したら大変なので、コンドームなどを使用したり使用前後のグッズは徹底的に洗浄したりして、衛生面でも万全にしておきましょう。

マルチプルオルガズム

「マルチプルオーガズム」とは、いわゆる「連続イキ」のことです。ただし、ペニスで連続イキすることは、まず不可能だと考えられています。詳細は本記事のテーマではないため省きますが、射精は主に不応期が長いことから、短時間で何度もオーガズム達することはできないのです。ごくまれに先天的にプロラクチンの分泌量が少ない男性がいて、その場合は何らかの訓練によって連続射精を行うことは可能になります。その他にも、プロラクチンの分泌を抑制する薬品を服用することで、連続射精が可能になるようですが、副作用があるため安全ではありません。そのため、基本的には射精によるオーガズムは、できないと考える方が良いでしょう。

それでは、どうすれば男性がマルチプルオーガズムを達成できるのかというと、射精ではなくドライオルガズムを活用するのです。先ほどご紹介したように、ドライオーガズムはアナル内部の前立腺で達するオーガズムで、射精と違って不応期がほとんどありません。そのため、ドライオーガズムでは一度絶頂に達した後に、またもう一度オーガズムに達するということができるのです。もちろん簡単にできるわけではありませんが、テクニックと開発があればできるようになる可能性があります。こういった点でも、ドライオーガズムは女性の中イキに近いと言えますね。

マルチプルオルガズムに導く方法

男性をマルチプルオーガズム(連続イキ)に導くためには、先ほどご紹介したアナルプレイが必要になります。しかも、男性がオーガズムに達したら刺激を止めるのではなく、そのまま続けて二度目の絶頂を目指すのです。指だけでずっと続けていると疲れてしまうので、できればエネマグラを使用するのがおすすめです。エネマグラを使えば、男性が肛門括約筋を活用するだけで自動的に前立腺を刺激できます。女性はそのサポートをするだけで良いので、かなり楽になるでしょう。

ただし、ドライオーガズムでの連続イキは原理的には可能だとはいえ、実際にはかなり難しいテクニックです。このあたりは何度もチャレンジして、少しずつ慣れていくしかありません。また、前立腺ばかりを刺激していてもイキにくいことがあるので、男性がエネマグラで前立腺をマッサージしている間は、女性は乳首を刺激してあげると良いでしょう。男性も乳首を開発するとよく感じ、場合によっては乳首でドライオーガズムに到達することもあります。ただし、ペニスは絶対にいじらないようにしましょう。ペニスを刺激するとウエットオーガズムが近づき、ドライオーガズムは離れてしまうのです。

また、前立腺オーガズムは基本的にアナルから行うものですが、「会陰部」を刺激することでもドライオーガズムに達することができます。会陰部はアナルと睾丸の間に広がっている、いわばつなぎ目のようなところです。ここを押すようにマッサージすることで、間接的に前立腺も刺激されます。アナルからの前立腺刺激だけでは連続イキしにくい場合は、一度アナルから離れて、会陰部や乳首への刺激に集中して、こちらで二度目のオーガズムを狙っても良いかもしれません。いろいろ試行錯誤を重ねて、夢の連続イキを目指してみましょう。

男性のオルガズム障害とは

男性のオーガズムの種類や、どのようにすれば彼を気持ちよくイカせてあげるかについて、重要なポイントを詳しく見てきました。しかし、これらのテクニックを駆使すれば、必ずパートナーをオルガズムに導けるというものではありません。女性の場合はオーガズムを感じにくいというのは、それほど珍しいことではありませんが、実は男性でもなかなかオーガズムに達しにくい、もしくはイクことができないという人もいます。すごく意外なことかもしれませんが、射精するのが困難だという「オーガズム障害」を抱えている男性は、最近増えているのです。

こういったオーガズム障害は、勃起や性行為自体は問題なくできます。しかし、どういうわけか射精だけができないという点で、ED(勃起不全)とは大きく異なっていることが重要です。しかもオーガズム障害はなかなか複雑で、女性からの理解を得にくいがために、深く悩んでしまう男性も少なくありません。だからこそ、パートナーがオーガズム障害を抱えている場合は、女性側の協力が極めて大切になるのです。そこで、よく勘違いしてしまうオーガズム障害とEDの違いや、オーガズム障害を治す方法について、重要なポイントを詳しく見ていきましょう。

EDとオルガズム障害の違い

オーガズム障害はED(勃起不全)とは大きく異なり、早漏や遅漏といった射精障害とも区別されます。EDは勃起不全という名のとおり、勃起することができなくなる疾患です。勃起はできないためセックスで挿入することもできません。しかし、オーガズムに達することはできるため、仮にヴァイアグラなどの薬物で強制的に勃起させれば、セックスや射精を行うことは可能です。一方でオーガズム障害は、オーガズムに達することができない疾患。ただし、勃起することはできるため挿入やピストン運動はできますが、最後に射精することだけができないのです。

このように、勃起不全とオルガズム障害には明確な違いがあります。オーガズム障害の厄介な点は、セックス自体は問題なくできるからこそ、強いプレッシャーや不満を感じてしまう点です。例えば、美味しい料理を食べるときに最後のデザートを食べ損なったら、すごく物足りないですよね。面白い映画やドラマのクライマックスを見逃してしまったら、非常に強い不満を感じてしまいまうでしょう。さらに、オーガズム障害でこうした不満を感じるのは、男性だけではありません。女性の方も強い不安や不満を感じてしまうことがあるのです。

女性としては男性が自分の中で気持ちよく果てて欲しいもの。しかし、セックスにおいて男性が射精しなければ、女性はその原因が自分の身体にあるのではないか……と深く悩んでしまうことがあります。セックスは基本的に男性がオーガズムに達して終了するものなので、男性が射精しないことにはいつ止めれば良いのか分かりません。こうした中途半端な感じのセックスでは、お互いに快感を得て満足するのは困難です。カップル双方がそのような不安や不満を抱えてしまうことが、オーガズム障害の厄介や点だと言えるでしょう。

オルガズム障害を治す方法

オーガズム方法を治すためには、まずその原因を特定する必要があります。しかし、そもそもオーガズム障害の原因自体が、まだ明らかにはなっていません。男性の性器が機能的な障害を抱えているため射精できない、ということはまず考えられないようです。ただし、女性の膣内で射精できない「膣内射精障害」が、オルガズム障害の原因となっている可能性はあります。この場合はマスターベーションのやり方に問題があることがほとんどなので、男性自身が意識的にオナニーのやり方を改善することが大切です。

オーガズム障害の原因のほとんどは、精神面にあるのではないかと考えられています。精神状態に問題があるためオーガズムに達しないのか、精神疾患の治療のための投薬がオーガズムを抑制してしまっているのか、基本的にはそのどちらかです。精神状態の問題とは、鬱病やストレス、不安感や過去のトラウマなどが考えられます。抑うつ状態にあったり日常的に過剰なストレスを抱えていたりすると、性欲自体がなかなか湧いてきません。仮に性欲はあったとしても、オーガズムに至るほど充分に興奮が高まらないか、オーガズムに必要な神経系の働きが抑制されてしまうなどの原因によって、射精することが困難になります。

不安感や過去のトラウマとは、主にセックスに関するものです。セックスを上手くできなかったらどうしようという悩みや、過去に性行為に関することでひどい思い出などがあると、身体がオーガズムのために必要な働きを阻害してしまいます。こういった精神的な問題については、本人が自力で努力しようとしたり、カップルで解決したりしようとしても、改善することはなかなか難しいでしょう。背景には精神疾患が隠れていることもあるので、自己判断で治療しようとするのは危険なことでもあります。そのため、精神科医の診断やカウンセリングなどを受けて、治療法を探る方が良いでしょう。

男性をオルガズムに導きたい時に意識すること

男性のオーガズムを理解すると、彼を喜ばせてあげられるだけではなく、セックスが盛り上がって愛を深めやすくなることが分かりました。さらに、男性のオーガズムはひとつだけではなく複数のタイプがあるので、それぞれを上手く使い分けることも床上手になるコツです。しかし、彼を気持ちよくしたいという想いが空回りしてしまうと、せっかく頑張っても成功しません。そのため、パートナーをオーガズムに導くためには、次の2点には必ず注意するようにしましょう。

  • プレッシャーをかけない
  • 相手の反応を見ながら愛撫する

男性が絶頂に達するためには、精神的にリラックスした状態であることが重要です。そのため、彼に気持ちよくなってもらいたい、オーガズムに達してほしいという想いが強くなり過ぎて、彼にプレッシャーをかけてしまわないように注意しましょう。こうしたプレッシャーが続くと、彼にとっての癒しの対象が他へ向かってしまうことにも……。プレッシャーを掛けないためには、彼の様子を見ながら愛撫することが大切です。それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう。

プレッシャーをかけない

意外なことかもしれませんが、男性のオーガズムには精神状態が極めて重要です。女性はもちろんそうなのですが、男性も強いストレスやプレッシャーを感じると、上手くオーガズムに達することができません。なぜなら、オーガズムというものは極めて複雑なメカニズムで動いており、神経系の働きがとても大切だからです。精神的に負荷が掛かっていると、こうした性機能のシステムが乱れて、興奮が高まらずオーガズムに達するのが困難になってしまいます。だからこそ精神状態に問題がある男性は、オーガズム障害を抱えてしまいやすいのです。

ただ、プレッシャーといっても具体的にどのようなものなのか、なかなかイメージが湧きにくいかもしれません。彼を気持ちよくしたい、良いオーガズムを迎えてほしいという想いが強いほど、実はプレッシャーが強くなりがちです。例えば、自分が一生懸命に愛撫しているにも関わらず、彼がなかなかオーガズムに達しないと、なんだかイライラしてきますよね。そんなときに、つい「早くイッてよ」「まだイカないの?」と言ってしまうことがあるかもしれません。

このように言葉で直接プレッシャーを掛けるのではなくても、頑張ってやりすぎる愛撫が彼にとってプレッシャーになってしまうこともあります。特に、彼があまり気持ちよくなれない愛撫を必死に続けるのは、かなりのプレッシャーになってしまうでしょう。なぜなら、女性の頑張りが伝わってくるだけに、気持ちよくなれないのが申し訳なく思うからです。できるだけ早くオーガズムに達しようと気張ることで、緊張して余計にオーガズムが遠のいてしまいます。

こうしたプレッシャーが度重なると、セックスはいわゆる「癒し」や「安らぎ」の時間というよりは、「義務」や「重圧」のようなものになってしまうかもしれません。そうなると、癒しの対象が別の相手に向かい、彼が離れていってしまうことにも……。パートナーに気持ちよくなってほしい、満足してもらいたいという意識は素晴らしいものです。しかし、このように空回りしたり裏目に出たりするとかえって良くないので、あまりプレッシャーにならないようにする必要があります。そのためには、彼の様子を見ながら愛撫することが大切です。

相手の反応を見ながら愛撫する

彼をオーガズムに導いてあげるときは、手や口、もしくはセックストイなどを使って愛撫することが多いはずです。そのときは、必ず彼の様子を見ながら愛撫するようにしましょう。相手の反応を見ながらやることで、今やっている愛撫が本当に気持ちいいものなのか、確認することができます。前述したように、オーガズムに達するためにはとにかく気持ちいいことが重要です。そうかといって、あまり気持ちよくない愛撫を必死に続けても、逆にプレッシャーになってオーガズムが遠ざかってしまいます。

愛撫するときに「気持ちいい?」と聞いてみるのもひとつの方法なのですが、何かをするたびに細かくたずねるのは面倒ですし、相手も戸惑ってしまうかもしれません。そこで、相手の表情や声などを確認して、様子を判断してみるのです。男性は基本的にはセックスで演技はしない傾向があるので、本当に気持ちよくなっているかどうかについては、わりと分かりやすいはず。

彼があまり気持ちよくなっていないのであれば、冷静な表情で声もほとんど出しません。気持ちよくなって感じているのであれば、頬が少し赤くなったりあえぎ声を出したりなど、何らかのサインを出しているはずです。先ほどご紹介したテクニックを活用すれば、ペニスやアナルを効果的に攻めて彼を気持ちよくできるでしょう。しかし、人の性感帯は様々なので、場合によっては上手くいかないこともあるかもしれません。そんなときは思い切って、どんな刺激で彼が気持ちよくなれるのか聞いてみましょう。

まとめ

今回は、男性のオーガズム(Male Orgasm)の全容について、重要なポイントを解説しました。男性の性感帯やオーガズムについて知ると、正しい攻め方やオーガズムへの導き方が分かり、パートナーを喜ばせることができます。特に、セックスがマンネリ化してしまっているカップルの場合は、とても大きな効果を得られるでしょう。男性には3種類のオーガズムがあり、それは「ウエットオーガズム」「ドライオーガズム」「マルチプルオーガズム」の3つです。

ウエットオーガズムはペニスでの射精による絶頂で、亀頭のカリや裏スジを集中的に刺激することで快感を高めて、オーガズムへ導くことができます。ドライオーガズムは射精を伴わない特殊な絶頂で、主にアナル内部からの前立腺刺激によって到達することができるオーガズムです。女性の中イキに似た特徴や快感があります。エネマグラを使用すると、特にテクニックを必要とせず、オーガズムに達することができるので便利です。しかも、ドライオーガズムには不応期がないので、マルチプルオーガズム(連続イキ)を目指すこともできます。

これらのオーガズムを駆使すれば、男性に素晴らしい快感とオーガズムを与えてあげることができます。しかし、男性のオーガズムは意外とデリケートで、精神状態によってはなかなかイクことができない場合もあるので注意が必要です。彼がなかなかオーガズムに達しないからといって、イライラしたり、無理に刺激してイカせようとしたりしてはいけません。パートナーの反応を見ながら、気持ちのいい刺激を続けてあげることが大切です。彼のオーガズムをマスターして、最高の快感を与えてあげましょう。